Spin the Black Circle

アナログレコード鑑賞記を中心に、映画や本など興味の向くままに語る、40代オヤジの独り言

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これをキンクスとは呼ばないでおこう

2015.12.21

category : キンクス



長く待った瞬間が、あっさりと実現した。しかし、これをキンクスとは呼ばないでおこう。

デイブのライブへの客演、それはわたしにはこう感じられる、レイがキンクスという冠に興味を失ったと。

二人が共演すれば、世間がそれをキンクスと呼ぶことは、分かっていたはず。そんな長らく大事にしていたはずのものを、このようにこだわりなく、あっさりと行ったしまったこと。レイがこだわりを失ったからだと、そんな風にわたしには寂しく感じた。

多分、もうキンクスとしての活動はない。わたしの予想が外れるといいのだけど。

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Misfits 雑感

2015.11.09

category : キンクス

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アルバム”Misfits”は、キンクスの数ある作品の中でも、どちらかというと低めの評価がなされているケースが多いようです。

基本的には、この意見に賛成です。’Misfits’と’ A Rock 'n' Roll Fantasy’という、このアルバムのハイライトとなる2曲は、どちらもメロディアスなナンバー。キンクスの魅力のひとつである、デイブのギターを軸としたハードなロックナンバーがアルバム全体に希薄であるところ、性急なナンバーに決定的な曲がないことが、全体に地味な印象を与え、評価の低さに繋がっているのでは、と感じます。他の傑作群と比較すると、どうしても弱いかな、というのは納得のところです。

しかしながら、世間と同じ及第点という評価をこのアルバムに与えつつも、わたしは何故か、気が付けばこのアルバムを何度も聴いています。リプレイ率で言えば、恐らくパイ時代の名盤に引けを取らない程に。名盤という評価を出せないこのアルバムに、どうしてわたしは何度も耳を傾けてしまうのだろう。そのことに、少し思いを馳せてみます。

前作”Sleepwalker”は、パイ後期からのメンバーによる集大成と言えそうな、有終の美を飾るダイナミックなサウンドが詰まった、とても魅力的なアルバムでした。一転、”Misfits”の次作”Low Budget”はディスコやアメリカン・ロックを取り入れ、時代の音を狙いに行って成功した、軸が明確なアルバムでした。

そんなアルバムに挟まれた”Misfits”の音は、どこかぎこちない、大人しいサウンドに聴こえます。サウンドの軸を決めかねているような、主張の薄い音。メンバーの脱退、レイとデイブの確執など、バンドが解体寸前となっている状態での録音を鑑みると、それも致しなかったのかもしれません。スタジオミュージシャンを起用している部分も、バンド色が弱く感じられる要因と感じます。

そういったサウンド面の魅力の乏しさは、逆にプラスの効果を生んでいるように思えます。そこで一番光っているのは、レイ・デイヴィスのメロディメーカーとしての側面。

デイブも含め、このアルバムのサウンドは、多くがレイの歌とメロディに寄り添う形で鳴らされます。その感触はまるで、良質なシンガー・ソングライターのアルバムを聴いているかのよう。そこは、バンドとしてのアルバムの最大の欠点であり、恐らく一部の人にとって魅力的な要素となっているのでしょう。そのメロディアスな旋律に、落ち着いた気持ちで接することの出来るアルバムと言えるかと。

片や歌詞に目を向けると、「ミスフィッツ(不適合者)」というキーワードを軸に、さながらコンセプト・アルバムのような感触を得ることが出来ます。まるで統一したテーマで書かれた短編集のように。「周りをみてごらん、ミスフィッツがそこかしこに」と歌われる、オープニングテーマと言える’Misfits’から、その物語が始まります。

性倒錯の夫とそれを受け入れる妻(’Out of the Wardrobe’)、パーマをかけることで鬱から脱却しようとする男(’Permanent Waves’)、花粉症によって正常な生活が送れない男(‘Hay Fever’)、そして、ロックンロールの世界に現実逃避する男(’ A Rock 'n' Roll Fantasy’)。どの主人公も、程度の差はあれ、正常な社会生活を送れず、そのことを違和感や苦痛を感じています。そのような人々を、レイは客観的な目線で、少しの笑い、皮肉を込め、彼ら、彼女らを描いています。

希少なロックナンバーである’Live Life’は例外的に、「自らの人生を生きろ」と直接的なメッセージが激しいサウンドに乗せ歌われます。これは「もう過去に生きたりはしない」(’No More Looking Back’)、「僕は自分の選んだ人生を生きるんだ」(’Life On the Road’)と、この時期のレイが常に歌に込めていたものを、更に明快に主張したものでした。この曲の「誰も君の人生を生きちゃくれない」というメッセージは、バンド内の人間関係が崩壊する中、キンクスという重荷を背負い続けないといけない苦悩が現れた、外よりも内に向け放たれた叫びのように、わたしには聴こえます。

その苦悩は、稀代の名曲’ A Rock 'n' Roll Fantasy’にも色濃く表れています。レイ自身と思われる語り部は、ロックンロールに現実逃避する人々を冷静に描写しつつ、自らはもうそんな世界に生きたくないと苦悩を込めて歌います。ロックンロールの世界をシニカルに描くことは、”Lola vs Powerman…”や”Soap Opera”などで何度も行ってきましたが、ここまで自らやっていることを否定的に描いたことはなかったように思います。レーベルも順調に移籍でき、アメリカでのセールスも回復したこの時期に、どうしてこんな絶望的になってしまったのか。バンドの危機だけでは語れないような、深い苦悩をそこに感じます。

いつものように市井の人々の喜怒哀楽を描きつつも、その中にレイ・デイヴィスという個の苦悩が見え隠れする。わたしがこのアルバムに魅力を感じるのは、そんな人間的な部分なのかもしれない。そんな風なことを改めて聴きながら、そして一部の曲の歌詞を訳しながら感じました。

デイブ・デイヴィスについても少しだけ。彼の抒情的な名曲”Trust Your Heart”が収録されているのも、このアルバムの魅力を高めています。このAOR的ながらも、ソリッドなギターに彩られたナンバー、彼の非凡な作曲能力を改めて感じさせられます。

彼はセッションミュージシャンを絡めて、この曲を含む幾つかの曲を、このアルバムのセッションでレコーディングしました。想像ですが、キンクスの内情がズタズタな状況で、キンクスのメンバー、特に兄に頼らずレコーディングを行ったことが、この後の彼のソロ活動、そしてキンクスからの別離に繋がったのではないか、その起点がこの”Trust Your Heart”だったのではないか。完成度の高いこの曲を聴いていて、そんなことを考えたりもします。

アルバムはファンキーなギターが全くもってキンクスらしくない、”Get Up”という曲で幕を閉じます。ドゥービー・ブラザーズのような西海岸サウンド風でもあり、ブルース・スプリングスティーンを想起させるようなピアノリフ、スタジオミュージシャンによる録音がこのような従来と異なるサウンドを生み出したのでしょうか。何度聴いても不思議な印象を持ちますが、それが新鮮でとても好きな曲です。

「立ち上がれ、すべては自分次第なんだ」とレイらしかぬ、直接的なメッセージが印象に残ります。やはりこの曲も外でなく、レイ自身に向かって歌っているように聴こえます。まるで、自らを奮い起こすように。

このアルバムの後、バンドを再編し、アメリカに狙いを定めアルバム”Low Budge”を制作し、そして成功したことを思うと、この”Get Up”という曲は何かの覚悟の曲のようにも聴こえます。どんなことがあっても、前に進むんだ、という宣言のように。

デイヴのめくるめくギターソロが昇ってゆき、そしてフェイドアウトではなく明快なコーダによってこの曲、そしてアルバムは終了します。ああ、やっぱりいいアルバムだなぁ、とわたしは何度もこのアルバムに聴き惚れてしまいます。



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Get Up

2015.11.04

category : キンクス



これは何度も何度も忘れられた、弱き者たち全てへの歌
このメッセージをあの小さな奴に、この状況を見逃さないで欲しいんだ
ほら吹きどもの争いの狭間で
君は右からも左からも突き上げられてる、馬鹿げたことだよ

だからその安楽椅子から立ちなよ、外でやるべきことが僕らは沢山ある
そうだろ?
善が悪に、正しいことが間違いに、最近自分がどっちに居るか分からなくなるんだ

その苦境から立ち上がるんだ
家を出て、顔を見せておくれ
安楽椅子から飛び出して、お前の存在を見せるんだ
立ち上がれ、それが君を救済する道
状況を見極めるんだ

誰かが立ち上がり叫ぶ
誰かがその力を与えてくれる
君こそそれを現実のものに出来る
全て君次第なんだ

ケツ野郎どもから離れるんだ
怠け者だと思わせとくな
安楽椅子から立ち上がれ
外ですべきことが沢山あるんだ、そうだろ?
立て、立て、立ち上がるんだ
立て、立て、立ち上がるんだ
立ち上がれ

- Ray Davies -

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Trust Your Heart

2015.10.29

category : キンクス



安全な場所で、僕は世界を
その全てを見てきた
深い霧の中に、君の顔を見た気がしたんだ
そして願った、君がここに居ればと
居てほしいと願ったんだ
可愛い君、ずっと一緒に過ごしたよね
次第につぼみを開く、花のように

勝ち負けがどうあれ、君を信じることになるだろう
何て似てるんだ、僕たちは
僕の元に来てくれたら
本当に信じよう、君のその心を
本当に信じよう、君のその心を

何故、そんな悪意をそのままにするのか
プライドが何だ、君はそれに飲み込まれてしまうだけ
判事に、専制君主に、野獣に乾杯を
ドアをノックし続けても、決して中には入れない
本当に信じよう、君のその心を
本当に信じよう、君のその心を

君の魂が放つ月光が、遠い昔の記憶を見せる
僕らが若かった頃の日々を
僕らが持ち続けてゆく愛を
本当に信じよう、君のその心を
本当に信じよう、君のその心を
僕は雷を、稲光を、雨を呼ぼう
苦しみを虐げられる人々の為に
弱った体を和らげ、貧乏な人に食を与えよう
いったいどこで、僕らは政府を必要とした?
本当に信じよう、君のその心を
本当に信じよう、君のその心を
- Dave Davies -

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Out Of The Wardrobe

2015.09.29

category : キンクス




誰かディックっていうアマちゃんを見たかい?
がっしりしてるが、ホントにヒップな奴なんだ
背は180センチ、褐色で毛深い腕

ベティ・ルーと結婚したのは1965年
タフな生き方しか認められなかった頃
でも奴は最近、複雑な感情で妻を見つめてる
奴は決して性癖を隠すポリシーじゃない
隠れる必要なんてない、むしろ見られたい
だってドレスを着た奴は、まるで王女様みたいだから

奴が衣裳部屋から出てきたあの日
ベティ・ルーは心底驚いた
分からなかったんだ、怒るべきなのか、平然としてるべきか
彼女はママに電話も出来なかった
ママきっと死んじゃうから
出ていくことも、腰を据えることも、別居を試すことも出来なかった

奴は思ってるようなホモ野郎じゃない
ありきたりの服に縛られるのが嫌なだけ
だってドレスを着た奴は、まるで王女様みたいだから

ダンディって訳じゃない、奴はファンタジーに生きてるだけ
同性愛者でもない、そうありたい自分で居るだけ
人生が再構築されて、奴は感謝してる
衣裳部屋を出た今、奴に後悔はない

ベティ・ルーは最初、どうしていいか分からなかった
でも最後には、折り合うことを覚えたんだ
彼女はいいとこ取りをした訳で
ホントに得意げな気分になってる
彼女が言うに、これで結びつきを強められるし
変化は安らぎと同じくらいいいもの、なんだとさ
友達もこの考えに賛同して集まってきた
彼女はズボンを履いて、パイプを吸い
奴が食器を洗って、彼女が拭くのを手伝う
だってドレスを着た奴は、まるで王女様みたいなんだ

衣裳部屋を出て、奴は上機嫌
衣裳部屋を出て、奴は満足げ
過去に別れを告げよう
秘密はもうなくなった
衣裳部屋を出た今、奴に後悔は全くないのさ

- Ray Davies -




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